口腔と全身をつなぐ「糖化」― 臨床を捉える新たな視点
11月3日「糖化の見える化と予防医療セミナー」のご案内
糖化とは、グルコースなどの糖がタンパク質や脂質など様々な生体分子と反応する現象で、その過程でAGEs(終末糖化産物)が形成されます。糖化は糖尿病合併症の発症・進展に関わるほか、高血圧、動脈硬化、脂質異常症、認知症など多様な全身疾患との関連が知られています。加えて、加齢に伴う生体の変化にも関与しています。
日々の歯科臨床では、う蝕・歯周病をはじめ、多くの口腔疾患に遭遇します。なかでも、口腔乾燥、味覚異常、舌痛症などは治療に難渋することがあり、漢方や鍼灸などの東洋医学的治療が糸口となる場合があります。
我々の研究グループは、糖化制御(抗糖化)による健康増進への貢献を目指しています。その重要なテーマの一つが「難治性口腔疾患と糖化の関係」です。口腔の病態と糖化との関わりを探るとともに、口腔粘膜を用いて糖化の状態を捉える評価法の開発を進めています。
今回のセミナーでは、口腔疾患と糖化、免疫との関わり、生薬の抗糖化作用、タンパク質構造研究と創薬、さらに口腔糖化評価や携帯型評価機器の開発まで、各分野の研究者が取り組みを紹介します。病態の理解を深める基礎研究から、予防・治療への応用、その変化を確かめる評価技術まで、糖化研究の目的と今後の展望をお伝えします。
なかでも、生薬の抗糖化作用は、糖化研究と東洋医学の接点として注目したいテーマです。独自の理論と臨床の蓄積を持つ東洋医学が、どのように糖化研究と結びつくのか。糖化という視点のもとで、「証」や「漢方治療によって生じた変化」はどのように紐解けるのか。
こうした問いについても、当日は先生方が培ってこられた東洋医学の臨床知見に基づくご意見や着想をいただきながら、東洋医学と糖化研究の新たな展開をともに考察できれば幸いです。ぜひ、ふるってご参加ください。
糖化の見える化と予防医療セミナー
日時:2026年11月3日(火・祝)13:00〜17:35
会場:甲南大学ポートアイランドキャンパス(FIRST)
アクセス:ポートライナー「計算科学センター」駅より徒歩約3分
共催:公益財団法人新産業創造研究機構(NIRO)・抗糖化研究会
各演題・講師などの詳細は、添付の案内をご覧ください。
大阪歯科大学 薬理学講座
谷口 諒至
セミナー紹介